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2020年6月26日金曜日

『遠海事件』「第三章」#8 首の使い道

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第三章」検証第7回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。

『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。

今回は「第三章」7回目、さらに時野の首切りパターンを水谷に解説している場面です。

以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。



【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第三章」#7

【文庫→四六判】「……まあそんな感じだよ。(p87)→「ま……まあそんな感じだよ。

【文庫→四六判】―ただし今回、(p87)→―ただし、今回の場合

【文庫→四六判】それで犯人の目的は達せられたと考えたほうがいい」(p87)→それが犯人の望む全てだったと考えた方がいい」

【文庫→四六判】ギロチンなんかで殺せばそうならざるをえない。(p87)→ギロチンや、それに類した凶器を使えばそうならざるをえない。

【文庫→四六判】殺されたあとで首を切られていると。(p87)→殺された後に首を切られていると。

【文庫→四六判】「じゃあ、ほかにはどんな理由があんの」(p88)→じゃあ何だよと水谷は問う。「他には、どんな理由があんの」

【文庫→四六判】「……首は躰と一緒にあったんでしょ」(p88)→「……首は躰と一緒にあったんじゃないの

【文庫→四六判】「そう。だからこの場合、首を使ったあとで元に戻したことになる」(p88)→「そう。だからこの場合は、首を使った後で元に戻したって考えることになる

【文庫→四六判】「使い道は色々さ。大抵、トリックと密接に関わってくるんだけどね」ネタバレになるから例は挙げたくないと言うと、水谷は不満そうな顔をした。慌てて時野は説明を続けた。「ほかにもパターンはある。(p88)→「使い道は色々さ。大抵、トリックと密接に関わってくるんだけどね。それに他にもパターンはある。

【四六判のみ】じゃなきゃもっと大胆に、(文庫p88の11行目“首以外の異常から気をそらす為とか、”と“首にある異常を”の間に入る)

【文庫→四六判】ほかには、(p88)→他には―そう、

【文庫→四六判】断面に細工をしようとしてとか、(p88)→断面へ何か細工をしようとしてとか、

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ご覧いただきありがとうございました。

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