【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第二章」検証第7回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「第二章」7回目、佐藤誠への事情聴取後半あたりになります。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
・【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第二章」#7
【文庫→四六判】「見付けた時、蛎塚さんの躰はどこに?」「ソファに座っていました。それで頭が―流しにあって」(p49)→「……見付けた時、蛎塚さんの躰はどこに?」「ソファに座っていました。それで頭が―流しに」
【文庫→四六判】「110番通報はそのあと、八時前になっていますが、これは正しいですか」(p50)→「通報はその後、八時前にあったことになっていますが、これは正しいですか」
【文庫→四六判】「家族の話を聞いたことはありません。よくは知りませんけど」(p50)→「家族の話を聞いたことは一度もありません。よくは、知りませんけど」
【文庫→四六判】仕事上での意見対立は頸部切断の動機にはならないかもしれない。しかし(p51)→確かに、意見の対立は頸部切断へ繋がる動機ではないかも知れない。だが
【文庫→四六判】狂気での説明を避ければ、(p51)→狂気で説明したくなければ、
【文庫→四六判】屍体を分解する場合、大方は首から切っていく。(p51)→屍体を分解する場合、大方の犯人は首から切っていく。
【文庫→四六判】そのあとでほかの部位へ取りかかるつもりだったのだが、(p51)→それから他の部位へ取り掛かるつもりだったのだが、
【文庫→四六判】説明として判りやすい。だが―。阿比留は首の切り口を思い出す。(p51)→真相として判りやすい。だが―阿比留は首の断面を思い出す。
【文庫→四六判】時間があると思ったから切り始めたのだろう。(p51)→切り始めた時は時間があると思ったのだろう。
【文庫→四六判】「まあそうだな」(p52)→「―まあな」
【文庫→四六判】マンション入口にいた警官からマンション管理人の居場所を聞き出した時、(p52)→管理小屋の外で警官から管理人の居場所を聞き出した時、
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ご覧いただきありがとうございました。
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