【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第三章」検証第6回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「第三章」6回目、時野と暇な時に話す程度の仲になった水谷との会話部分になります。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
・【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第三章」#6
【文庫→四六判】できればそこには合理的な理由があって欲しい。(p83)→そこには合理的な理由がなくてはならない。
【文庫→四六判】独善を自覚しつつそんな空想を巡らせていた彼を我に返らせたのは、(p83)→独善を自覚しつつ時野はそんな風に思う。そうして空想を巡らせていた彼を我に返らせたのは、
【文庫→四六判】店を訪れた中学生(p83)→店を訪れた女子中学生
【文庫→四六判】たびたび店を訪れる彼女と、(p83)→ほぼ二日に一度の割で訪れている彼女と、
※結構な頻度ですね。二日に一度訪れて、どんな話をするのでしょうとふと気になりました。
【文庫→四六判】「もしかして、事故とか?」(p83)→「……それ、事故とか?」
【文庫→四六判】そうなのと言った。(p83)→そうなのと呟いた。
【文庫→四六判】かなり堪えただろうなあ。(p84)→かなり堪えたんだろうなあ。
【文庫→四六判】実際どうなるかは明日にならないと判らない」(p84)→実際どうなるかは明日にならないと判らないよ」
【文庫→四六判】じっと見つめられ、なんだよと問い返す。(p84)→じっと見つめられ、何だよと返した。
【文庫→四六判】気になるなと言い、おそるおそる時野は尋ねた。「君はそういうのに興味あるのかよ」(p84-85)→「気になるなあ。……君はそういうのに興味あるのかよ」
【文庫→四六判】ああそうと時野は頷き、(p85)→ああそうと時野は白けて頷き、
【文庫→四六判】「人殺しの話が好きな人がいるって」(p85)→「ひとごろしの話が好きな人がいるって」
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ご覧いただきありがとうございました。
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