【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第三章」検証第4回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「第三章」4回目、時野がブックセルへ出勤して新村と話をしている場面です。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第三章」#2
【文庫→四六判】カウンタにいる昼のバイト仲間へはよーすと声をかけて事務所へ向かい、新村への挨拶もそこそこに尋ねた。(p79)→カウンタにいる昼の部のバイト仲間へはよーすと声を掛け、詰め所でタイムカードを押す前に事務所の新村へ挨拶し、即座に尋ねた。
※バイトの出勤時間は17時からです。タイムカードは事務所に無いんですね。
【文庫→四六判】堪えきれない笑みを黙らせようと、時野は自分の頬をひっぱたいた。(p79)→堪えきれず零れる笑みを黙らせようと、時野は自分の頬を思いっきりひっぱたく。
【文庫→四六判】「首を切られてたとか?いやすいません。俺、こういうの凄い好きなんですよ」(p79)→「首を切られてたとか?」「……何が言いたいんだよ」「すいません。俺、こういうの凄い好きなんですよ。猟奇殺人とか」
【文庫→四六判】それに参列するのが面倒ってくらいだな」(p79)→それへ参列するのが面倒ってくらいだな」
【文庫→四六判】そういえば今日は佐藤店長は」(p80)→……そう言えば、今日は佐藤店長は―」
【文庫→四六判】「休みだよ。……知らないんだな」(p80)→「休みだよ。……そうか、知らないんだな」
【文庫→四六判】「……えぇっ!」(p80)→「え。……えぇっ!」
【文庫→四六判】無闇と走り出したくなる。(p80)→無闇と走りたくなる。
【文庫→四六判】「だから佐藤の前じゃ事件のこと口にするなよ。(p80)→「だから、佐藤の前じゃ事件のこと、軽々しく口にするなよ。
【文庫→四六判】疑わしげな眸差の新村に大きく頷き、大丈夫すと重ねて時野は請け合った。(p80)→なおも疑わしげな眼の新村へ大きく頷き、大丈夫すと重ねて請け合った。
【文庫→四六判】「とにかくそういうわけだ。(p80)→「―まあ、とにかくそういうわけだ。
【文庫→四六判】……その、もしかして刑事とかここへ来ちゃったりするんすかね?」(p80)→……で、その、もしかして、刑事とかここへ来ちゃったりするんすかね?」
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ご覧いただきありがとうございました。
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