【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第二章」検証第12回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「第二章」12回目、隣人の聞き込みのあと、阿比留の現場再検証の場面です。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
・【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第二章」#12
【文庫→四六判】佐藤のことを思い出した。(p60)→佐藤の言っていたことを思い出した。【文庫→四六判】彼は七時ごろからしばらくのあいだ、豪雨の街をさまよっていたらしい。(p60)→彼は七時から一時間、豪雨の街をさまよっていたらしい。
【文庫→四六判】どこにいたかは覚えていないという。(p60)→詳しいことは覚えていないと。
【文庫→四六判】隣人は質問がやんだのを見計らい、(p60)→隣人は問いが止んだのを見計らい、
【文庫→四六判】「このことブログに書いちゃまずいですかね?(p60)→「今日のこのこと、ブログに書いちゃまずいですかね?
【文庫→四六判】胸を刺した時にできたらしい衣服の破れを中心に濃い染みが広がっていた。(p61)→胸を刺した時に出来たらしい衣服の破れがあり、そこを中心に濃い染みが広がっていた。
【文庫→四六判】阿比留は戸口にしゃがみ、キッチンの床を離れたところから眺めた。(p61)→阿比留は戸口にしゃがみ、キッチンの床を離れて眺めた。
【文庫→四六判】血痕の飛散は二種類に分けられるようだった。(p61)→血痕の飛び散りは二つに分けられるようだった。
【文庫→四六判】その前の床を汚して玄関まで点々と続いてゆくものとにだ。(p61)→その前の床を汚して玄関まで点々と尾を引いているものとにだ。
【文庫→四六判】鑑識に問うと、ほかの部屋は綺麗だという。(p61)→鑑識に問うと、他の部屋は綺麗なものだという。
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ご覧いただきありがとうございました。
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