【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「コラム② 佐藤誠 その技術と遠海事件」検証第2回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「コラム② 佐藤誠 その技術と遠海事件」の後半部分です。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
・【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「コラム② 佐藤誠 その技術と遠海事件」#2
【文庫→四六判】彼の殺人計画は、徹底した屍体隠蔽まで含む例が大半である。(p70)→そもそも、彼の殺人には屍体隠蔽まで含まれる例が大半である。
【文庫→四六判】そのため自白した殺しの一部しか起訴できないという結果を生んだ。(p70)→その為に自白した殺しのごく一部しか起訴出来ないという結果を生んだ。
【文庫→四六判】最後の事件を別にすれば、(p70)→最後の事件を忘れるなら、
【文庫→四六判】半ば自動的に疑われることの不利を熟知していたのだ。(p70)→自動的に容疑を掛けられることの不利を熟知していたのだ。
【文庫→四六判】それゆえ殺人に際し、何よりまず事件そのものの消去を試みてきたのである。(p70)→それ故に、殺人に際しては何よりまず事件そのものの消去を試みてきたのである。
【文庫→四六判】(大量の血痕、犯罪の目撃証言など)がなければ警察は動かない点を利用した、(p71)→(大量の血痕、あるいは犯罪の目撃証言等)がなければ警察は動かないという点を利用した、
【文庫→四六判】手際の巧拙はあってもほぼ一貫している。(p71)→手際の巧拙はあってもほぼ一貫して保たれている。
【文庫→四六判】二つの屍体は首を切断されただけで現場に残され、(p71)→二つの屍体は首を切断されただけで現場へ残され、
【文庫→四六判】不謹慎な言い方になってしまうが、(p71)→やや不謹慎な言い方をすれば、
【文庫→四六判】それと並んで筆者が当事件を調べるきっかけとなったのはこの、(p71)→それと並んで筆者が事件を調べるきっかけとなったのはこの、
【文庫→四六判】ほかの事件で見せた冷徹な思考とは重ね合わせられないにしても、(p71)→他の事件で見せた冷徹な思考へは重ね合わせられないにしても、
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ご覧いただきありがとうございました。
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