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2020年6月19日金曜日

『遠海事件』「第三章」#1 翌日

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第三章」検証第1回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。

『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。

今回から第三章の検証になります。遠海事件発生翌日、語り手は新村光次です。

以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。



・【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第三章」#1


【文庫→四六判】三人のアルバイトに店長を加えた四名体制が通常だった。(p74)→三人のアルバイトへ店長を加えた四名体制が通常だった。

【文庫→四六判】新村の勤務時間は正午から十時の閉店まで。(p74)→新村の勤務時間は正午から十時の閉店までとなっている

【文庫→四六判】夜間の責任者としてそれまでバイトがしていた閉店業務や売上管理を任されているが、忙しいわけでもない。(p74)→名目は夜間の責任者として、それまでバイトがしていた閉店業務や売上管理を任されるようにはなったが、決して忙しいわけではない
※他店で店長をしていたのに、最初売上管理などを任せられなかったのはおかしいのでは?ということで変更されたのでしょうか。

【文庫→四六判】東遠海店に来て一週間、(p74)→東遠海店へ来て一週間、

【文庫→四六判】けれどその日、朝から店に立っていた。(p74)→だがその日、朝から店に立っていた。

【文庫→四六判】原因は昨夜かかってきた佐藤からの電話だった。(p74)→原因は、昨夜、突然に掛かってきた佐藤からの電話だった。

【文庫→四六判】一日だけ店のことを新村に頼んだのだ。(p74-75)→一日、店のことを新村に頼んだのだ。

【文庫→四六判】新村自身はあまり蛎塚専務と付き合いもなかったが、佐藤は違う。(p75)→新村自身はそんなに蛎塚専務と繋がりのある方ではなかったが、佐藤は違う。

【文庫→四六判】専務の伝手で入社したと聞いていた。(p75)→そもそも専務の伝手でブックセルへ入社したと聞いていた。

【文庫のみ】新村は思い直した。(p75)

【文庫→四六判】保守派筆頭がいなくなったのだから会社はまとまる方向へ向かうだろう。(p75)→保守派筆頭がいなくなったのだから会社はまとまる方向へ向かう

【四六判のみ】そうならざるを得ないし、そうした流れへ逆らうカリスマは他にない。(文庫p75の8行目“会社は社長次第、”の直前に入る)

【文庫→四六判】とりあえずは戦う態勢を整えられる。(p75)→取り敢えずはこれで戦う態勢を整えられる。


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