【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第二章」検証第10回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「第二章」10回目、阿比留が有田家の隣人に聞き込みを行っている場面です。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
・【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第二章」#10
【文庫→四六判】ついさっき救急車で運ばれました」(p56)→ついさっき、救急車で運びました」
【文庫→四六判】足下に眼を凝らしてみると、(p56)→眼を凝らしてみると、
【文庫→四六判】「いないみたいです。隣の住人が勝手に喋った話では、離婚しているのだと」(p57)→「いないそうです」離婚かと問うと、詳しい事情まではと制服警官は答えた。「隣の住人が勝手に喋った話では、私生児だと」
【文庫→四六判】脂肪で顔が膨れているせいで歳のほどが判らない。(p57)→脂肪で顔を膨らませているせいで、歳の程が判らない。
【四六判のみ】二十代か三十代だろう。(文庫p57の6行目“歳の程が判らない。”の後に入る)
【文庫→四六判】部屋でネットしてたら派手なシャウトが聞こえて、ジェイムス・ブラウンでも降臨したのかって外出てみたら、そのあたりで有田さんが叫んでて。(p57)→部屋でネットしてたら派手なシャウトが聞こえてきて、何だ何だジェイムス・ブラウンでも降臨したのかって外出てみたら、その辺りで有田さんが叫んでて―人ってあんな声が出せるもんなんですね。
【文庫→四六判】それでそこの通路に……あっ、ひょっとして今もあるんですか?(p57)→それでその前の通路に、あ、ひょっとして今もあるんですか?
【文庫→四六判】そしたらそれがあの……ねぇ?智世ちゃんだっていうんですから、ひどい話ですよー。(p57)→そしたらそれがあの智世ちゃんだっていうんですから、酷い話ですよー。
【文庫→四六判】喋り続ける彼から、(p58)→延々と喋り倒そうとする彼から、
【文庫→四六判】「見張ってたわけじゃないですよ。(p58)→「別に監視してたわけじゃないですよ。
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ご覧いただきありがとうございました。
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