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2020年5月15日金曜日

【検証】作中の『遠海事件』の執筆時期

詠坂雄二『遠海事件』(光文社)の作中の『遠海事件』が執筆された時期を考えました。



ややこしいですが、『遠海事件』という作品は、作中に出てくる詠坂雄二と水谷育の共著として、佐藤誠が関わった遠海事件について迫ったノンフィクションという体で書かれています。その作中作の『遠海事件』の執筆時期がいつなのか検証しました。


今回ネタバレはありません。




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『遠海事件』(光文社)の四六判の「はじめに」の冒頭に、


そこには明らかな間違いや誇張が含まれてもおり、それより生まれた括弧付きの佐藤誠のイメージが、その死刑執行から丸三年が経過した今もなお、



とあります。

(ちなみに文庫化の際、上記下線部が、“死刑執行から三年が経過した今もなお”と修正されています。これだったら例えば2年11ヶ月などでも3年とひっくるめられるニュアンスですので、丸三年と書かれているほうが日付を特定するには良いですね)

佐藤誠の死刑執行は、2015年(平成27年)3月4日です。ということは「はじめに」が書かれた時期は2018年の3月5日以降になります。
『遠海事件』の「おわりに」の日付が、2018年(平成30年)12月となっています。

『昨日の殺戮儀』が2015年頭に上梓して、そのすぐあとに続編のオファーもあり、すぐに『遠海事件』の執筆にとりかかったかもしれませんが、それは『T島事件』の作中の詠坂が2016年師走時点でまだ執筆していないと書いていますので、執筆自体はまだでしょう。水谷が資料集めなどで奔走している段階だと思われます。

「はじめに」、章間のコラム、「おわりに」は水谷育が執筆しているのではっきりとした時期は不明ですが、少なくとも「はじめに」は2018年3月5日以降から12月までに書かれていることになります。詠坂の担当した小説部分も2018年ころからポツポツと執筆したのではないでしょうか。
今の段階ではここまでしかわかりませんでした。今後新たなことがわかれば更新します。

コメントなどもお待ちしております。
ご覧いただきありがとうございました。





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