詠坂雄二『ドゥルシネーアの休日』(光文社文庫)と『君待秋ラは透きとおる』(角川書店)の共通点になりそうなものを見付けました。
「まったく関係ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、可能性を考えてみました。以下はネタバレありますので、作品読了後にご確認ください。
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共通点とは、相馬(山村)朝里の能力のことです。
これは『君待秋ラは透きとおる』に出てくる匿技になるのではないかというものです。
朝里本人は能力のことを『ノート』と呼んでおり、それは
目の前の景色を脳内の『ノート』に描き写すことができ、それを自在に動かすことができる。一度書き込んだら上書きするまで記憶に留められいつでも呼び出せる
と、いうものです。
これで爆弾を作ったり、ゼンマイ時計を修理したりをしていました。
これには弱点があり、両眼を瞑らないと『ノート』を見ることができませんでしたが、物語終盤で朝里の右眼が抉れたあと、瞼を閉じず、左眼を開けつつ『ノート』を広げられるようになりました。
前回のブログで書いたように、相馬朝里は再度爆弾事件を起こすと思われます。その後、改心するのか独房にはいるのかはわかりません。
『君待秋ラは透きとおる』の舞台は2017年、爆弾事件は2013年に解決していると思われますが、日本特別技能振興会に入り君待秋ラたちの仲間になるかは不明です。京都に2名匿技士がいる、と書かれていましたがその一人が相馬朝里とはあまり思えませんし。とにかく、相馬朝里の能力は匿技と言っても差し障りないものだと思います。
そこまで作者自身も考えて書いていたとはあまり思えませんが、繋がりをもたせようと思えばもたせられます。詠坂雄二作品同士クロスオーバーしていますので。
以上ご覧いただきありがとうございました。
コメントなどあれば是非よろしくお願いします。
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