【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)「英雄蠅」検証第15回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「英雄蠅」検証第15回目です。
今回は峰木光介と群青武者との戦いが終わったあとから、群青武者の秘密について語られている場面までになります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「英雄蠅」#15
【新書→雑誌】・常闇景色である。妙に白さも感じさせる。(p188下)→常闇である。妙に白さを感じさせる景色。
【新書→雑誌】・「さすが頑強な肉体をお持ちで」人の気配が動き、眼前に顔が現れた。(p189上)→「気付きましたか。―さすが、頑強な肉体をお持ちで」人の気配が炎の熱気と共に揺れ、眼前に顔が現れた。
【新書→雑誌】・稽古着の袖がなくなっており、露わになった肩の辺りに縫い目があった。(p189下)→稽古着の袖が腕と共に斬り飛ばされ、露わになった肩の辺りで腕は縫いつけられていた。
【新書→雑誌】・指先まで感触が通っているのだ。(p189下)→感触が残っているのだ。血も通っているに違いない。
【新書→雑誌】・だが(p189下)→通例ではあるが、
【新書→雑誌】・「刀冶朗様には蠅が集っていたでしょう。また貫き通した刃には血が付かず、なのに(p190上)→「―蠅が集っていたでしょう。刀冶朗様の身に。加えて、貫き通した刃には血が付かなかったのに、
【新書→雑誌】・まるで自らの不死を信じているかのようであったのだ。(p190上)→自らの不死を信じているかのような戦い方であったのだ。
【新書→雑誌】・これですと指先で闇佐が取り上げ示したものは、(p190下)→こいつですわと指先で闇佐が取り上げ示したものは、
【新書→雑誌】・腸の表面、鼻の奥、どこもかしこも住処にしていました。(p190下)→腸の表、鼻の奥、どこもかしこにもいましてね。
【新書→雑誌】・いずれにせよ心の臓は血潮を巡らせる器官、血潮が不要ならば急所にならぬ理屈です」(p190下)→血潮が要らなければ、心の臓も急所にはならぬ理屈ですよ。
【新書→雑誌】・そしてと闇佐は続ける。死にさえしなければいずれ怪我は癒えるもの。「すべては(p190下)→急所でなければ死なぬ。死ななければ怪我は癒える。鍛えてできることではありませんから、
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#16へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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