【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』「コラム①佐藤誠 その名と身分の透明性」検証第1回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「コラム①佐藤誠 その名と身分の透明性」をみていきます。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
・【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「コラム①佐藤誠 その名と身分の透明性」
【文庫→四六判】唯一の例外が、二十五歳から二十八歳にかけての約三年間続いた書店員時代だった。(p37)→唯一の例外が、二十五歳から二十七歳にかけての約三年間続いた書店員時代だった。
※これは次々回に詳しく検証します。
【文庫→四六判】だが当時は携帯電話とインターネットの普及が原因とされる本離れから(p37)→だが、当時は情報化時代過渡期による本離れ(主に携帯電話とネットの普及が原因とされる)から、
【文庫→四六判】一時期は県下に十店舗を展開していたブックセルも事件の二年後に倒産し、(p37)→一時期は県下に十店舗を展開していたブックセルもこの二年後に倒産し、
【文庫→四六判】遠海事件時、佐藤誠は二十六歳。(p37)→この時、佐藤誠は二十六歳。
【文庫→四六判】昔からそうで、ひょっとしたら自分の名前が絡んでいるのかもしれないと。(p38)→昔からそうで、ひょっとしたら名前が絡んでいるのかも知れないと。
【文庫→四六判】それゆえに、彼が警察の注目を免れた理由として(p38)→それ故に、彼が長く逮捕されなかった理由へ
【文庫→四六判】彼の殺しはその大半が自白でしか確認されていない完全犯罪だが、(p38)→彼の殺しはそのほぼ全てが自白でしか確認されていない完全犯罪だが、
【文庫→四六判】捜査員同士の連携が甘かったことと、(p38)→現場捜査員同士の連携が甘かったことと、
【文庫→四六判】捜査員が複数の事件の捜査資料を見比べて、そこに佐藤誠という名前を見つけても、同姓同名の別人と判断してしまうことがあったのではないか、というわけである。(p38)→仮に捜査員が何かの拍子に二つの事件の捜査資料を見比べ、そこに佐藤誠という名前を見付けたとしても、同姓同名の別人と判断してしまうことがあったのではないかというのがその論旨である。
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ご覧いただきありがとうございました。
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