【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)「英雄蠅」検証第17回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「英雄蠅」検証第17回目です。
今回はエピローグの場面になります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「英雄蠅」#17
【新書→雑誌】・「英雄人傑の生は悲劇で終わることが多い。強さゆえに取り憑かれ、乱心を保証しもするこいつには、そんな名がぴたりです」(p192上)→「古今東西英雄人傑たるもの、最後は悲劇で終わることが多いですからね。強ければとりつかれ、乱心まで保証してくれるこいつには、そんな名がぴたりです」
【雑誌のみ】・根からの皮肉屋であるのだろう。(新書p192上6行目“少しずつ感覚を”の文の前に入る)
※闇佐の性格に関しては、新書化されるときに削除されていることが多いですね。より「名持ちの視点」に特化させるためでしょうか。
【新書→雑誌】・少しずつ感覚を取り戻し動かせるようになった右手を眺め、光介は頷いた。(p192上)→少しずつ感覚を取り戻し、微かに動くようにさえなった右手を眺め、光介は頷いた。
【新書→雑誌】・ならば問うまいと思った。(p192上)→ならば問うまいと光介は思った。
【新書→雑誌】・凄惨な殺し合いが終わり、新たな使命を与えられた光介は、(p192上)→凄惨な闘技が終わり、新たな使命を与えられた彼は、
【新書→雑誌】・闇佐は答えなかった。表情は、それでよいとでも言わんばかりである。(p192下)→闇佐は何とも答えなかった。表情は、それで満足ならそれでいいと言わんばかりである。
【新書→雑誌】・人が闇などに負けるはずはない。(p192下)→人が闇に負けるはずがない。
【新書→雑誌】・幕命に従いとの説明があるが、(p192下)→幕命に従いとの説明があるにはあるが、
【新書→雑誌】・峰木光介には不見血という別つ名があり、(p193上)→峰木光介には不見血という二つ名があり、
【新書→雑誌】・史料が伝える峰木光介の品格は(p193下)→資料が伝える峰木光介の品格は
【新書→雑誌】・彼の遺志を継いだ弟子たちが常闇払いに成功し、(p193下)→遺志を継いだ弟子たちが常闇払いに成功し、
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
ご覧いただきありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿