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2020年5月4日月曜日

『日入国常闇碑伝』「英雄蠅」#14

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)「英雄蠅」検証第14回



詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「英雄蠅」検証第14回目です。
今回は峰木光介と群青武者の戦いが終了した場面までになります。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。




・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「英雄蠅」#14


【新書→雑誌】・まずは刀冶朗の左手の刀―(p185下)→まずは刀冶朗の左刀

【新書→雑誌】・刀冶朗の得意技であり、かつて幾度も見てきた刀術であった。(p186上)→刀冶朗の得意技である。剣を習い始めてから幾度も見てきた戦法であった。

【新書→雑誌】・敵の刀を外へ押し出した。(p186上)→刃を押した。

【新書→雑誌】・刀冶朗の躰が僅かに左へ動く。(p186上)→敵の刃が支えとなり、躰が左へ一尺ほど動く。

【新書→雑誌】・降りてきた刃は光介の右腕を肩より切断し、(p186上)→降りてきた刃は光介の右腕を肩より切断、宙へと飛ばした。

【新書→雑誌】・武具より手鍬に形状が近い。(p186下)→武具より祭具、あるいは手鍬に形状が近い。

【新書→雑誌】・光介の眼は、それでもゆっくりと群青武者が(p187上)→辛うじて立ち尽くす彼の眼は、ゆっくりと群青武者が

【新書→雑誌】・ただ一身の剣技をもってあたればよい。(p187上)→事前に考えることはない。身につけた剣技をもってあたればよい。

【新書→雑誌】・であれば得物も直剣が最適となる。(p187下)→であれば得物も直剣となる

【新書→雑誌】・屍体に集る蠅ほどの意義もない』(p188上)→『屍体に集る蠅のようには、意義あってのことでもない

【雑誌のみ】・道半ばで果てることの無念はあった。だが大したことではないとも思えた。英雄、守峰刀冶朗にしてから成せなかったことであるのだ。闇に囚われぬ才があったところで、常闇を払うなどという難儀、己にできるとも思えぬ。(新書p188下5と6行目の間に入る)

【新書→雑誌】・力を入れることができない。(p188下)→力を入れることすらできない





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#15へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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