詠坂雄二『乾いた屍体は蛆も湧かない』(講談社ノベルス)内の出来事の日時を検証しました。
作中には、西暦何年なのかの記載は一切なく、日付が明記されているのも屍体を発見した日の11月4日のみとなっており、その11月4日というのも警察が立てた立て札に記載されているものです。
そこから判る部分のみ記載し、曜日しか判らないなどの部分は“?”を付けています。
作中に西暦などの年号は出てきませんが、併せて検証しています。
以下、内容の重要部分に触れますので作品読了後にご確認ください。
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11月4日未明 ①
深夜
屍体を発見する 一度目の撮影
11月6日(①の二日後(…②))
23時頃
二度目の撮影
25時過ぎ
撮影撤収
11月7日 ②の翌日(…③)
23時
頼太が寿明のバイト先へ来る
24時
寿明と頼太、追加のカットを撮りに現場へ行くが屍体が消えている
11月8日(③の翌日)
日没後
寿明が将樹の部屋で昨日の顛末を話す その最中に丈から電話がある
11月9日
寿明がルミノール反応をすることを思いつく
11月11日
夕食にサンマが出る
夜中
寿明がルミノール反応を試す
11月12日
可燃ごみの日
(日付が特定できたのはここまでです。以下の日付曜日に“?”がついている部分は推測です。後ほど解説します)
数日後(11月15日?)④
午後三時
寿明と丈、ドライブで屍体のあった商店街へ行く。現場は警察によって封鎖されている(恐らく向丘太市の通報によると思われます)
その後ABCマートで安全靴を買う
④の翌日(11月16日?)
深夜
ガストで寿明と頼太が話をする
靴は可燃ごみの日に捨てた
You Tubeにトレーラーがアップされている
数日後(11月19日?)⑤
平日昼前
寿明が桜冬学園へ行き校舎をスケッチする
⑤の翌日(11月20日?)
日中
寿明、二日続けて桜冬学園へ行き、スケッチする
その夜
寿明、屍体のことについて考える
日曜(11月22日?)
昼
寿明、バイトへ行く途中に阿比留刑事に声をかけられる
18時
寿明、阿比留刑事と話したあと、向丘太市と話をする
帰宅後
寿明、パソコンで『ゾンボイス』のトレーラーを確認し、誰が屍体を隠したのかを考える その後部屋の掃除をする
月曜?(11月23日?)
午前二時
寿明、一人で屍体のある現場に行く。その後、潰れたガソリンスタンドで屍体を発見し、向丘太市に連絡を取る。
明け方
向丘太市がガソリンスタンドに来る。
日中
寿明、将樹のところへ行く。
ある年の正月
将樹、セールスドライバーとして魔の一週間を乗り切る
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【仮説と解説】
西暦は2015年としました。
なぜかというと、
1,可燃ごみの日と、以降の推測部分の流れが一番収まりがいいからです。どこの自治体でも可燃ごみの日は週に2回、3日間隔4日間隔であると思います。
11月12日が可燃ごみの日です。新しい靴は、ガストで「靴は可燃ごみの日に捨てた」と言っている前日に買っているので、買った当日に捨てたかガストに行く日の朝に捨てたかになります。
2、仮説ですが、こちらの方が根拠はありそうかと思われます。
向丘太市は「殺人犯になりたかった」と言っています。つまり、「佐藤誠になりたかった」と。詠坂雄二が作中作『昨日の殺戮儀』を上梓したのが2015年頭です。それを読み、感化されたのだと考えました。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
コメントなどあればよろしくおねがいします。
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