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【検証】『日入国常闇碑伝』常闇の正確な発生期間

詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス) ー常闇の正確な発生期間ー 詠坂雄二『日入国常闇碑伝』の「常闇」の正確な発生期間が曖昧にしか書かれていないので、作品内から検討をつけました。 以後ネタバレがありますので作品読了後にご確認ください。 こちらのブログも...

2020年5月11日月曜日

【時系列】『乾いた屍体は蛆も湧かない』の時系列について

詠坂雄二『乾いた屍体は蛆も湧かない』(講談社ノベルス)内の出来事の日時を検証しました。


作中には、西暦何年なのかの記載は一切なく、日付が明記されているのも屍体を発見した日の11月4日のみとなっており、その11月4日というのも警察が立てた立て札に記載されているものです。
そこから判る部分のみ記載し、曜日しか判らないなどの部分は“?”を付けています。

作中に西暦などの年号は出てきませんが、併せて検証しています。

以下、内容の重要部分に触れますので作品読了後にご確認ください。



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11月4日未明 ①
深夜
屍体を発見する 一度目の撮影

11月6日(①の二日後(…②))
23時頃
二度目の撮影 
25時過ぎ
撮影撤収

11月7日 ②の翌日(…③)
23時 
頼太が寿明のバイト先へ来る
24時
寿明と頼太、追加のカットを撮りに現場へ行くが屍体が消えている

11月8日(③の翌日)
日没後
寿明が将樹の部屋で昨日の顛末を話す その最中に丈から電話がある

11月9日 
寿明がルミノール反応をすることを思いつく

11月11日
夕食にサンマが出る
夜中
寿明がルミノール反応を試す

11月12日
可燃ごみの日



(日付が特定できたのはここまでです。以下の日付曜日に“?”がついている部分は推測です。後ほど解説します)



数日後(11月15日?)④
午後三時
寿明と丈、ドライブで屍体のあった商店街へ行く。現場は警察によって封鎖されている(恐らく向丘太市の通報によると思われます)
その後ABCマートで安全靴を買う

④の翌日(11月16日?)
深夜
ガストで寿明と頼太が話をする
靴は可燃ごみの日に捨てた
You Tubeにトレーラーがアップされている

数日後(11月19日?)⑤ 
平日昼前 
寿明が桜冬学園へ行き校舎をスケッチする

⑤の翌日(11月20日?) 
日中
寿明、二日続けて桜冬学園へ行き、スケッチする
その夜
寿明、屍体のことについて考える

日曜(11月22日?)  

寿明、バイトへ行く途中に阿比留刑事に声をかけられる
18時 
寿明、阿比留刑事と話したあと、向丘太市と話をする
帰宅後
寿明、パソコンで『ゾンボイス』のトレーラーを確認し、誰が屍体を隠したのかを考える その後部屋の掃除をする

月曜?(11月23日?) 
午前二時 
寿明、一人で屍体のある現場に行く。その後、潰れたガソリンスタンドで屍体を発見し、向丘太市に連絡を取る。
明け方 
向丘太市がガソリンスタンドに来る。
日中
寿明、将樹のところへ行く。



ある年の正月 
将樹、セールスドライバーとして魔の一週間を乗り切る


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【仮説と解説】
西暦は2015年としました。


なぜかというと、
1,可燃ごみの日と、以降の推測部分の流れが一番収まりがいいからです。どこの自治体でも可燃ごみの日は週に2回、3日間隔4日間隔であると思います。
11月12日が可燃ごみの日です。新しい靴は、ガストで「靴は可燃ごみの日に捨てた」と言っている前日に買っているので、買った当日に捨てたかガストに行く日の朝に捨てたかになります。


2、仮説ですが、こちらの方が根拠はありそうかと思われます。
向丘太市は「殺人犯になりたかった」と言っています。つまり、「佐藤誠になりたかった」と。詠坂雄二が作中作『昨日の殺戮儀』を上梓したのが2015年頭です。それを読み、感化されたのだと考えました。



以上、ご覧いただきありがとうございました。
コメントなどあればよろしくおねがいします。



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