・詠坂雄二『ナウ・ローディング』の短編「ナウ・ローディング」第5回目です。
今回は詠坂雄二と月島凪の会話の終盤と、その帰り詠坂雄二が「ネピアが尽きたなら」を読んでいる場面です。
ネタバレもありますので、作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「ナウ・ローディング」#5
【文庫→雑誌】・「そうですよ。佐藤の話をあなたから聞き出せるだろうと期待されたから……」(p310)→「そうですよ。佐藤の話を個人的に聞けるだろうと期待されたから……」
【雑誌のみ】・しかしそれらは彼の犯罪全体からすればほんの一部にすぎない。(文庫p311の4行目“かなりの量があり、”と“物語を意識した”の間に入る)
【文庫→雑誌】・「これは別に仕事じゃないですよ。ちょっとした義理みたいなもので」(p312)→「これは別に仕事じゃないですよ。ちょっとした義理……いや義務かな。納税みたいなものだと思います」
【文庫→雑誌】・今も眩い存在だ。(p316)→今も遠い存在だ。
【雑誌のみ】・やっぱり全部、俺が見た幻だったのか。(文庫p318の8と9行目の間に入る)
【文庫→雑誌】・好き勝手に書いていることが伝わってくるそれを読むのは、ここ数年の楽しみになっていた。(P320-321)→好き勝手に書いていることが伝わってくるそれを読むのが、毎月の楽しみになっていた。
※これ以前のブログ(20年1月1日分)で『ばらくうだ』には合併号がないことを証明しましたが、ここで決定的になりました。
【雑誌のみ】・『ばらくうだ』はエロ漫画誌なので、読者として接していたら楽しめなかっただろうし、仮に俺がコラムニストでも楽しめなかっただろう。読者不在で構わないという姿勢に苛立ったかもしれない。(文庫p321の1と2行目の間に入る)
【雑誌のみ】・現在ではお目にかかれない感情だ。(文庫p321の5行目の後に入る)
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#6へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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