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2020年2月5日水曜日

「本作の登場人物はすべて」#4

詠坂雄二『ナウ・ローディング』内の短編「本作の登場人物はすべて」検証第4回目です。


「ばらくうだ」編集部の忘年会での芹川と柵馬との会話です。
この辺りは加筆が多い印象です。


ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。




「本作の登場人物はすべて」#4

【文庫→雑誌】・「永遠恒久というと、猟奇漫画の大家ですよね。芹川さん」(p165)→「永遠恒久というと、猟奇漫画の大家ですよね」

【文庫→雑誌(移動)】・背が高く精悍な顔つきだ。名前は確か―(p166)→背が高くて、精悍な顔つきをしている。名前は確か……さくらとかいったはずだ
※雑誌では文庫のp166の2行目ライターさんだった。の後に入るが、4行目へ移動している

【文庫のみ】・この仕事と表現問題は切っても切り離せない。(p167)

【文庫→雑誌】・商業誌でも、雑誌が都から指導を受けたり、(p167)→エロ漫画でも、出版社が都から指導を受けたり、

【文庫→雑誌】・ゲリラ的にネットで公開する手もある。(p167)→戦いを避けてネットで公開する手もある。

【文庫のみ】・その時代に発表された原稿は、単行本にもまとめられていない。(p169)
※この一文は、四六判にもありません。永遠恒久の情報は少ないので貴重だと思います。

【文庫のみ】・柵馬さんは神妙に頷きながら問う。(P169)

【文庫のみ】・葬儀屋というのも、何か別の仕事の隠語じゃないかと疑っただけのこと。(p169)
※これは四六判にも収録されていません。この文のおかげで本当に葬儀屋になったのかどうか、怪しく思いますね…。

【文庫のみ】・そしてそれが嫌いじゃない。(p170)

【文庫→雑誌】・例のゲームのことを話せば、(p170)→例の同人ゲームのことを話してみるべきだろうか。永遠先生の作品を覚えていて、かつゲームにも詳しいのなら、

【文庫のみ】・迷いが顔に出ていたらしい。ぼくは思い切って尋ねることにした。(p170)

【雑誌のみ】・RPGはさらにそのあとでやっと来る感じですよね(文庫p171の5行目“シュミレーションかな”のあとに入る)


【文庫→雑誌】・自分が好きなシーンを狙って探し出す遊びの面白さですか」(p172)→自分が好きなシーンを狙って探したりするのは確かに面白いですしね

【文庫→雑誌】・キャラをエロシーンに追い込んでいる感覚は強くなる。(p172)→自分が操ってキャラをエロシーンに追い込んでいる感覚は強くなる。

【文庫→雑誌】・エロシーンを見たいのがファン心理でしょう。一般向け作品のエロパロディ需要に応える形でRPGが定着した―そんな事情がありそうな気がするんですよ」(p173)→エロシーンを見たいのがファン心理でしょうから、そういう部分でパロディの許される同人作品が有利だとは言えると思います

【文庫→雑誌】・クオリティを真似るには限界がある。(p173)→小規模開発の同人作品でシステムまで真似るには限界がある。


#5へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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