・詠坂雄二『ナウ・ローディング』内の短編「ナウ・ローディング」第3回目です。
詠坂雄二と月島凪の対面の場面です。
月島凪の容姿が書かれているのは雑誌版のここだけですので貴重です。
ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。
「ナウ・ローディング」#3
【文庫→雑誌】・本日の装いはベリーショートの黒髪に眼鏡着用の様子。以前はどうだったろう?考えてみてもよく思い出せない。レンズの向こうに潜む、何より強い印象を放つ瞳のせいでもあった。(p291)→整った顔立ちにベリーショートの黒髪、何より強い印象を覚えるのはその瞳だ。
※「整った顔立ち」と顔そのものの描写があるのは全作品で雑誌版のここだけです。貴重ですね。
【文庫→雑誌と四六判】・十年経っても(p291)→もう三十代後半のはずなのに、
【文庫→雑誌】・そのあとで仕事がもらえるようになったのだから、結論は正しかったと思うしかない。(p293)→それからしばらくして小説家になることができたのだから、事実と認めるしかない。
【文庫→雑誌】・「……そう、春に刑が確定していたわね」「覚えているんですね」(p294)→「春に刑が確定していたわね。―忘れたと思った?」「少し」
【文庫→雑誌】・自首後、佐藤誠も俺の世界から消えるはずだった。(p294)→佐藤誠もそうなるはずだった。
【文庫→雑誌】・彼女はひとしきり聞いた上で面白いと言った。(P296)→彼女は楽しそうに聞いてから、面白いと言った。
【文庫→雑誌】・死刑する当人にしてみれば、そこに終わりという以上の意味はないはず。(p300)→死ぬ当人にしてみれば、方法がどうだろうと差はないはず。
【文庫→雑誌】・「殺す相手を罪人とし、みずからの殺人は正当な行為として考えていたのかもしれない」(p301)→「殺す相手を罪人と考えていたのかもしれない」
【文庫→雑誌】・少なくとも、わたしは佐藤君以上に社会を乱さないよう気を付けていた犯罪者を知らないわ」(p302)→少なくとも、わたしは彼以上に社会を乱さないようにしようとしていた犯罪者を知らないわ」
【文庫→雑誌】・納得とともに人へ伝えられるものでもない。(p302)→技術のように人から人へ教えられるありようでもない。
【文庫→雑誌】・数をこなして慣れていただけよ。(p303)→単に慣れていただけよ。
【文庫のみ】・捜査本部が立たなければ、警察官も追ってはこない道理です」(p303)
【雑誌のみ】・つまらなく思ったのだ。(文庫p305の7と8行目の間に入る)
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#4へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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