【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「舶来鬼」検証第4回目です。
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「舶来鬼」の検証第4回目です。
今回の場面は三十六と戦士の戦いの場面です。
ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。
「舶来鬼」#4
【新書→雑誌】・頭部には、羽根鶏冠が頂きに植えられ、眼より口元にかけてが開いた、古代の剣闘士にこそふさわしい冑を被っている。(p28下)→頭部には古代の剣闘士にこそふさわしい、羽根鶏冠が頭頂に植えられた、眼から鼻、口元にかけてが開いた冑を被っている。【新書→雑誌】・右手に残した直剣を(p29下)→右手に遺す直剣を
【新書→雑誌】・巨体がゆっくりとくずおれる。(p29下)→巨体がくずおれる。
【新書→雑誌】・半裸の戦士は何事もなかったかのように地に手を突き、膝を曲げて立ち上がった。(p29下)→半裸の戦士は何事もなかったかのように立ち上がった。
【雑誌のみ】・どのような理屈か。(新書p30の1行目の前に入る)
【新書→雑誌】・今度は左より水平に襲いかかる刃を(P30上)→左より水平に襲いかかる刃を
【新書→雑誌】・下方から掬い上げる動きで彼は刃を走らせ、(p30上)→下方から掬い上げる動きで刃は走り、
【新書→雑誌】・刃を引き抜くと血が噴き、霧を作った。巨体が仰向けに倒れ、地が微かに揺れる。(p30下)→刃を引き抜くと、ぶわりと宙に血が噴き霧を作った。音を立てて巨体が倒れ、地が微かに揺れる。
【新書→雑誌】・冑が形状を変え、顔面から首筋までを覆っていたからだった。(p30下)→冑が形状を変えており、顔面から首筋までを覆うものに変わっていたからだった。
【新書のみ】・相手にこちらを逃す気はない。(p31下)
【新書→雑誌】・理由のもう半分は彼の中にあった。(p31下)→もう半分は、彼の中にその理由があった。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#5へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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