【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「舶来鬼」検証第2回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
今回は『日入国常闇碑伝』「舶来鬼」の検証第2回目です。作中の場面は、南(常闇)へ向かった神藤七宗を、闇佐と三十六が追いかける準備をしているところです。
常闇が発生した季節も推測できます。
ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。
「舶来鬼」#2
【新書→雑誌】・物資輸送に用いられるものとは形状が異なっている。(p23上)→物資輸送に用いられる姿とは微妙に異なっている。
【新書→雑誌】・秋を決する戦を控え、(p23下)→時代を決する戦を控え、
※秋=とき、と読み仮名がふられているので、常闇が発生した季節は秋だと推測出来ます。以後も、白永三年の秋に常闇が発生したという前提で考えます。
【新書→雑誌】・ある者は手足を失い、(p24上)→集団を構成する者は手足を失い、
【新書→雑誌】・飛来は光の尾を伴っていた。火矢かと彼は察する。(p25上)→飛来は光の尾を伴っていたので、火矢かと彼は思った。
【新書→雑誌】・とりもなおさずそれは、神藤七宗がどこへ向かったかにほかならない。(p26上)→とりもなおさずそれは神藤七宗の行方に他ならない。
【新書→雑誌】・闇佐の貝語は論理が操れる程度に至っており、判りやすかった。(P26上)→闇佐の貝語は論理が操れる程度に至っており、非常に判りやすかった。
【新書→雑誌】・築城を取りやめてまで発掘を命じたとか。(p26下)→築城を取りやめてまで発掘を進めたのだとか。
【新書→雑誌】・古えの集落と窺え、柱の跡などが相応の数見つかったそうで』(p26下)→かつては賑わった集落であったと見え、小屋柱の跡などが相応の数見つかったそうで』
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#3へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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