・詠坂雄二『ナウ・ローディング』内の短編「ナウ・ローディング」第2回目です。
詠坂雄二が巡風亭へ入る前から月島凪と対面するまでの場面になります。
巡風亭のマスター荻田が、月島凪が佐藤誠と対峙したときの話をしています。
ネタバレもありますので、作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。個人的に重要だと思うところは太字にしています。
「ナウ・ローディング」#2
【文庫のみ】・古さが老朽化ではなく堅牢さに繋がっている印象で、(p281)
【文庫→雑誌】・そこだけ新しい看板には、黒地に白いペンキで『巡風亭』と店名が描かれている。(p281)→全体の中、ひとつだけ新しい看板には、木目の黒地に白で『巡風亭』と店名が描かれている。
※木の看板なのか木目調なのか、どっちみちそういった感じの看板だということですね。看板に関しての記述は全作品通して今のところここだけです。
【文庫→雑誌】・俺に気づいて笑ってみせた。(p282)→俺の顔を見ると笑ってみせた。
【文庫→雑誌】・「あぁ……久しぶりだね本当に」(p282)→頷くしかない。
【文庫→雑誌】・あの大量殺人犯ですか?(p284)→あの殺人鬼ですか?
※「殺人鬼」も神格化のひとつだからでしょうか。詳しくは『遠海事件』の冒頭を参照ください。
【文庫→雑誌】・普通の人。(P285)→俺は頷いた。
【文庫→雑誌】・それも反感を抱くしかないものばかりだった。(p285)→そうしたものの大半は、聞いても反感を抱くしかないものばかりだった。
【文庫→雑誌】・「何もかも面倒そうな感じでしたね。(p285)→「疲れたふうではありましたね。
【文庫→雑誌】・あの人のことを、ようやく出会えた理解者みたいに感じるからだと思うんですけど」(p285)→自分の理解者みたいに感じるからだと思うんですけど」
【文庫→雑誌】・「追っている最中、あの人のほうはどうだった?」「うーん、面白い事件だとは言ってませんでしたよ。(p286)→「あの人にとっては、佐藤も普通の人間だったのかもしれないな」「ですかね。少なくとも面白い事件だとは言ってませんでしたよ。
【文庫→雑誌】・強烈な人格を備え派手な事件を起こす犯罪者こそ名探偵が対峙する相手である、という前提がもし成り立つなら、暗躍が世間に知られていない佐藤は名探偵が追うような犯罪者ではないだろう。(p286)→佐藤は物語的な犯罪者ではなかった。名探偵に捕捉されるような殺人犯でもなかったのだ。
【雑誌のみ】・そのために現れた。(文庫p287の12と13行目の間に入る)
#3へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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