【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「舶来鬼」検証第3回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。『日入国常闇碑伝』も、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるのかなどの検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「舶来鬼」検証第3回目です。
今回の場面は、神藤七宗を追って闇佐と三十六が古遺跡に到着したところから、何者かの気配を感じたところまでです。
ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。
「舶来鬼」#3
【新書のみ】・考えてしまえばすぐに走る性情だ。(p27上)【新書→雑誌】・それが崖崩れによるものなどではなく、人の手によることが判るほど整っていたのだ。(p27上)→それが崖崩れのような自然災害ではなく、人の手によるものと判るほど整然としていたのだ。
【新書→雑誌】・見通しの良い土地に、(p27上)→平坦で見通しの良い土地に、
【新書→雑誌】・出土品の残骸が集められてもいた。(p27下)→出土品の残骸のようなものが山になってもいた。
【新書→雑誌】・斬られてから時は経っていない。(p28上)→時は経っていない。
【新書→雑誌】・同士討ちをしたわけでもなさそうだ。四人全員、腰に差している刀を抜いてもいない。(P28上)→周囲に人影はなかった。互いに狂い、同士討ちをしたわけでもなさそうだ。四人全員、それぞれ腰に差している刀を抜いてもいないのだ。
【新書のみ】・異変で狂った者は獲物を用いないが、全員が同時に狂ったとも考えがたかった。七宗の供回りに選ばれた者は、いずれも相応に精強だったはずだ。(p28上)
【新書→雑誌】・彼は、闇佐に供回りの人数を尋ねた。(p28上)→彼は闇佐に、七宗が何人引き連れていたか尋ねた。
【新書→雑誌】・ふと前方に気配を感じて視線を上げた。(p28上-下)→ふと前方に光を感じて視線を上げた。
【新書→雑誌】・いや、祖国においてさえ多くはなかったことだ。(p28下)→いや、祖国においてさえなかったことだ。
※体格が三十六と釣り合うくらいの者のこと。細かな修正ですが大きな違いです。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#3へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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