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2020年9月5日土曜日

『遠海事件』「第六章」#18 遠海事件の自白の裏

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第六章」検証第18回



今回は「第六章」18回目です。
阿比留が沢木に電話をかけ、遠海事件の自白の裏は取れなかったと報告している場面です。


以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。




【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。


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「第六章」#18


【文庫→四六判】それでも、辛抱強く、長いあいだただひとりで、たったひとつのことをやり続けるやつだっているに違いない。外からそうと判らないだけで。(p208)→そして思う。辛抱強く、長い間、独りで、たった一つのことをやり続ける奴だって増えているに違いない。ただ外からそうと判らないだけで。

【文庫→四六判】阿比留は沢木の携帯を呼び出した。(p208)→阿比留は自席へ戻り、沢木の携帯を呼び出した。

【文庫→四六判】「おかげで便秘が治りました。(p209)→「便秘が治りました。

【文庫→四六判】「自白の裏は取れなかった」「そうですか」(p209)→「結論から言う。自白の裏は取れなかった」「……そうですか」

【文庫→四六判】「だが否定する情報もない。針は振れたままだ。頭数が動員できりゃ傾けられるかも知れないがあいにくこっちにそんな余裕はねえ」(p209)→「だが否定する要素もない。針は振れたままだ。頭数が動員出来りゃ傾けられるかも知れないけどなあいにくとこっちにそんな余裕はねえ」

【文庫→四六判】それにと阿比留は内心で呟く。上もまた藪をつつきたいとは思ってないだろう。(p209)→それにと阿比留は内心へ呟く。上だって、もう一度藪をつつきたいとは思ってないだろう。

【文庫→四六判】「ならほかを当たるんだな。(p209)→「なら、キープしておいて他を当たるんだな。

【文庫→四六判】とりあえず二つ、できたら三つ有罪にできりゃあ、死刑は出る。屍体はに五つあるって言ったな。(p209)→取り敢えず二つ、出来たら三つ有罪に出来りゃあ、死刑は出る。屍体はほかに五つあるって言ったな。

【文庫→四六判】もし今になって遠海事件の真実を明かすことができるやつがいるとすれば―恐らく、(p209)→もし今更に遠海事件の真実を明かすことが出来る奴がいるとすれば―それこそ

【文庫→四六判】馬鹿馬鹿しさに(p209)→バカバカしさに


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