【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第六章」検証第17回
今回は「第六章」17回目です。
阿比留と事務員との会話、四課の捜査員との会話の場面です。
佐藤誠のアリバイに使われた佐藤真のことについて話しています。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第六章」#17
【文庫→四六判】出てきたのは二十歳の時。(p206)→出てきたのは二十の時。
【文庫→四六判】「どこへ行けば会える?」(p206)→「それで、どこへ行けば会える?」
【文庫→四六判】所属は近天組となってますが」(p206)→一応、所属は近天組となってますが」
【文庫→四六判】礼を言って資料を受け取り、(p206)→事務に礼を言って資料を受け取り、
【文庫→四六判】最近多いんだよ。(p206)→―最近多いんだよなぁ。
【文庫→四六判】何が知りたい?」(p207)→……ほんで、知りたいことってのは?」
【文庫→四六判】捜査員は携帯を取り出してどこかへかけ、親しげに喋り始めた。(p207)→携帯で呼び出した相手へ、捜査員は親しげに喋り始めた。
【文庫→四六判】話しても大丈夫か。(p207)→今、大丈夫か。……はん。
【文庫→四六判】佐藤真って若いの覚えてるか―終わりしなにおやすみを言わないことが不思議に思えるほど和やかな会話を終え、捜査員は阿比留に頷いてみせた。(p207)→佐藤真って若いの覚えてるか。……そうか。記録じゃそいつ、失踪ってなってんだが―。終わりしなにおやすみを言わないことが不思議に思えてくる程に和やかな会話を終え、捜査員は阿比留へ頷いた。
【文庫→四六判】「確かに失踪したそうだ。組の金を持ち出して逃げたらしい」(p207)→「確かに失踪したそうだ。つうかな、組の金を持ち出して逃げたらしい」
※彼も佐藤誠に殺されてそうですね。
【文庫→四六判】顧客がひとりくたばったと思えばいいと放っといたそうだ。(p207)→顧客が一人くたばったと思えばいいと、放っといたんだそうだ。
【文庫→四六判】「今は少し囓ってみちゃあ雀牌放るみたいに辞めちまうのが多いだろ。(p208)→「今ぁ、少し囓ってみちゃあ雀牌放るみたいに辞めちまうのが多いだろ。
【文庫→四六判】こっちは連中の顔と名前覚える気もなくならぁ」(p208)→こっちも昔みたいに連中の顔と名前覚える気もなくならぁ」
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ご覧いただきありがとうございました。
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