詠坂雄二『5A73』(光文社)の最大の謎、「暃」の個人的新解釈です。
以下ネタバレがありますので作品読了後にご覧ください。
【別解釈①】
韮澤秀斗が石碑のある空間を見ると、
「菫色の穴です。だいたい直径一メートル半くらいの穴があって、下四分の一ほどが地面にめりこんでます」(p329)
とのことです。
これ、常闇ですよね??
さらっと書きましたが、これが常闇なら大事件ですよね。日入国は現代日本とつながっていると確定ですよ。
常闇を封じるための3つある御劔社のうちのひとつの跡地で、石碑だけ現代に残った、と考えられるのではないでしょうか。(『日入国常闇碑伝』より)
常闇を封じるために常闇が必要だったという記述もありますし(『日入国常闇碑伝』p87上段)
常闇への出入り口、妖魔が出入りできるところ、つまり「扉」なんじゃないかと考えました。「扉」の文字の成り立ち(https://okjiten.jp/sp/kanji1397.html)で示すように、扉の部首の戸の部分(戸部・こぶ)が、象形文字の時点で日のように見えますし。「暃」の上の日は常闇の穴を表し、下の非は、作中に出てきた橋と同じ解釈としました。
ということで、
「暃」=とこやみ、と同義ではないでしょうか。
常闇→常に闇で太陽が届かない→日が無い→日は非ず→暃
よって、「暃」はとこやみと読む
となります。
【新解釈②】
で、「暃」の誤写とひとつとされている(参照:幽霊文字-通信用語の基礎知識)、韮澤秀斗の「韮」の文字。異体字は草冠が無い「韭(ニラ)」です。非とアンダーバーの_で構成されています。
「韭」の非は橋と考え、下の傍線は侵入した妖魔と対峙する人物という意味と捉えました。
草冠は草葉の陰→異界→日の当たらないモノ(妖魔)を表しているのではないでしょうか。
居ることは居るで存在は容認するが、それらのモノと戦うなり、話し合うなりするバランサーというような存在、そういう意味で作者は韮を名前の一部に入れたのではないかとも考えました。
【私が出した持論】
①「暃」=とこやみ、と同義
②常闇と関わるにおいて、韮澤秀斗はその中心人物である
となりました。
ご覧頂きありがとうございました。
タトゥーシール作ろうかと考えています。
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